今日は朝から交通事故の対応に追われていました。
自動車保険をご契約いただいているお客様が、昨日、追突してしまった、と連絡があっていたからです。
昨日は、相手の被害者の方にわたしから謝罪のお電話をし、今後保険で対応させていただく旨お伝えしました。
夜間でしたので、保険会社は閉まっていました。
事故報告は昨日登録しましたので、朝から保険会社の担当から連絡があり、ひと通り説明して、相手方へ連絡を依頼しました。
ほどなくして、担当者から連絡があり、お相手様がお怪我をされているので、怪我の対応もしていきます、とのことでした。
そのことをわたしのお客様にお電話で伝えると、びっくりしたように、そうなんですか?と言われました。
もう一度状況を伺うと、渋滞で停車しているときに同乗者との話に夢中になりすぎて、
ブレーキペダルに載せていた足の力が弱まってしまい、ゆっくり進んだ車が前の車のバンパーにこつんと当たったくらいだそうです。
事故時の実況見分では、怪我とかそんな話はなかったとのことです。
でも、こんな話は、ふつうにしょっちゅうあります。
今回のように追突事故で後からむち打ち等の怪我を申告される理由は大きく分けて2通りあります。
ひとつは、1日経って、首が痛み出したというパターン。
これは、ほんとによくあります。
なぜかというと、事故というめったに遭遇しないことに巻き込まれて神経が異常な興奮状態になっており
そのときは、麻酔効果のような状態で、痛みを感じないんです。
それで、後日、それが治まると、本来の痛みを感じるようになって、怪我の申告となるのです。
重傷でなく軽傷の場合はほとんどの方が事故の翌日に痛みが出て、病院に行かれます。
首が曲げれない、頭が痛い、頭が重い、吐き気がする、という症状が多いですね。
ふたつめは、詐病というパターン。
ほとんどの方が、事故のことを家族や友人知人にお話しされます。その時に悪知恵を仕込まれるんですかね。
痛いって言って通院したら、慰謝料がっぽり取れるよ!とか聞いて、それなら通院しようと思うんです。
痛いと言えば、病院は診断書を出しますし、通院する事が出来ます。
本人が痛いと言っているのに、病院や保険会社が、そんなことないでしょう、とか言えませんからね。
ただ、保険会社も病院と連携しながら過度な通院とならないようチェックはしています。もちろん本人とも。
そして、あまりにも長い通院になってくると、医者に症状固定の確認をします。
症状固定とは、これ以上治療を続けても症状の改善が見込めない状態のことを指します。
そして、本人にこれ以上の通院は治療費等の支払いをストップします、と告げるのです。
こうなると通院は厳しくなります。あとは、後遺障害の請求をして認定されれば慰謝料に上乗せされます。
しかし、このパターンは厳しめに言うと保険金詐欺ということになります。
ただ、それが保険金詐欺だということを立証するのは非常に困難ですので、現実にはあまり聞いたことはありません。
実際に通院をしていれば、過度な通院でなければとくに問題視されませんね。
実際に通院をしていないにもかかわらず、水増し請求された場合は、事件化されますよ。
整骨院さんと仲が良くて、今日治療に来たことにしといて、みたいなことをしていると、逮捕されます。
保険会社は、このように明らかな保険金詐欺は警察に通報しています。そのような案件を専門に取り扱う部署もあります。
保険金詐欺は、社会のインフラともいうべき制度を悪用した非常に悪質な事件として、刑事裁判でも重い判決がなされています。
追突された被害者の申告には、2パターンあります。
ひとつは、事故時に何を言われることもなく、事故後も少し痛みはあるが通院するほどでもないので、
車だけちゃんと修理してくださいね、という人。優しくて仙人のような方です。
もうひとつは、事故直後からすごい勢いでまくしたてるような方です。
追突されて、車から降りてくるなり、首を手で押さえて、
「あいたたたたたたーーっ、首が回らんようになってもうた、どうしてくれんか、テメーっ!」
ってなことを言われるんです。
追突したわたしのお客様は動揺しますので、すぐにわたしからその方にお電話します。
すると、そんな調子で、首が痛い、腰が痛い、背中が痛いと言われます。
そして、すぐにここまで代車を持ってこい、とか、バンパーのみの塗装では色が合わないから全塗装してもらう、などと言われます。
とりあえずできるだけのことをさせてもらって、あとは保険会社にバトンタッチします。
たしかに、被害者には何の落ち度もありませんから、気持ちはわかります。
追突したほうが100%の過失があるのは間違いないですが、
原状回復以上の要求をされる場合は保険会社も毅然とした態度で対応しています。
年末年始は気ぜわしく、事故も増えます。どうぞお気をつけて運転されてください。