今回は、自動車保険の車両保険の分野から
車対車+Aという契約方式について事故事例を交え注意すべき点をお話します。
自動車保険を契約された方はお聞きになられたことがあるかと思います。
ご自分の車を補償する車両保険の契約方式は、大きく2つに分けられます。
基本は、一般条件というすべての事故を補償対象(地震は別途特約必要)とするものです。
もうひとつが、先ほどの車対車+Aです。
こちらは、補償対象事故を限定することにより、保険料が割安になります。
簡単に説明をすると、一般条件の補償対象から自損事故や当て逃げが補償対象外になります。
おそらくほとんどの契約者はこのように説明を受けるでしょうし、
ざっとパンフレットを見ると、そのように見てとれます。
しかし、パンフレットに書いてある文字を注意深く見て、理解しておかないと、
え?ウソでしょ。って、ことになるので注意が必要です。
十分検討して理解した上で入られるのであれば、保険料の面では非常にコストパフォーマンスに優れているのでお得感があります。
それでは、注意点を事故事例からお話しします。すべて、車対車+Aで契約された方の事故事例です。
こんなことがありました。
お客様から連絡があり、トラックに追突してしまって乗用車の前部がかなり破損してしまったと。
車と車の事故の場合、自分の車を車両保険で修理できるので、普通は大丈夫です。
警察へのお届けは済まされましたか?とお聞きすると、
いえ、してません。
トラックの方の連絡先は聞かれましたか?
いえ、聞いてません。
トラックの修理をしないといけませんよね?
それが、トラックのほうは、バンパーにかすり傷ができたくらいだったんで、
運転手の方が修理しなくても大丈夫だよって、言ってくれて、そのまま別れたんです。
相手方がわからないと、保険金の支払いができないんですよ!
え!?そうなの??
これ、わたしの体験なんで実話ですよ。
パンフレットに小さな文字で、「相手方の車およびその運転者または所有者が確認されたときに限ります。」と書いてあります。
対策としては、どんな場合でも警察に届けることです。そうすればこんなことは防げます。
次の事例です。よくある事故ですよ。
お客様からご連絡があり、ホームセンターの駐車場から道路に出る際、右側から走ってきた自転車と衝突してしまったと。
警察への届けはしていて、相手方のお名前や連絡先等も聞かせていただきました。
わたしは、ただちに事故の初動対応を行い、相手の方や保険会社への連絡を済ませました。
契約者様からお聞きしたところ、自転車と衝突した際、お車のボディの広範囲に傷が入っているとのことでした。
車をいつも見てもらってるディーラーに修理に出そうと思ってるけど、いいかな?
それが、今回の事故の場合、お車の修理については、保険での対応が出来かねるんですよ。
車両保険に入ってるのに、なんで??
この場合も、パンフレットを良く見ると、車同士、二輪自動車、原動機付自転車との衝突と書いてあります。
相手自動車の定義が約款にも書いてあり、自転車は含まれていません。
道交法上は自転車も車両ですが、約款の定義では明確に外れています。
当然人間や動物との衝突も補償されません。人間、動物との衝突で高額な修理代がかかることもよくありますよ。
山道での、イノシシや鹿との衝突事例を経験しました。
飛び出しによる人間との衝突もありました。ボンネットに跳ね上げフロントガラスは粉々です。
車対車+Aの車両保険では、すべて補償対象外です。
ここで余談ですが、このように自動車以外の物と衝突した場合は補償されないのですが、飛び石は補償されます。
飛び石の被害はすごく頻繁にある事故です。高速道路が多いのですが、道路を走っていたら、小石等が飛んできてフロントガラスに当たり
ひびが入ったりする事故です。これは、不可抗力なのでどうしようもないんですよね~ 保険は効きます。
原因は、道路上に落ちていた小石をトラックが跳ね上げたり、ダンプカーの荷台から落ちた小石が道路でバウンドして当たったりするのが多いです。
パチンと音がして、その場で気づく場合もあるし、車検時に車屋さんから指摘されて気づく場合もあります。
保険を使用すると、等級が1等級落ちることになっています。
最後は注意点ではないですが、年に数度経験することです。
車を物にぶつける自損事故です。
車をぶつけてしまったんだけど、保険効くかな?
お役に立てず申し訳ありませんが、現在のご契約は、補償対象となっておりません。
だめもとで聞いてこられて、そうだよね~って、仕方ないな、と言われる方もいらっしゃれば
そんなこと、聞いてないよ、何のための保険なんだ!
とお叱りを受けることもあります。
何か事が起きてからでは遅いので、車両保険の契約内容もしっかり確認の上、間違いのないようにしたいものです。