
日々絶え間なく交通事故が発生していますが、その中でも
損害保険会社が、「接近事故」と呼ぶ交通事故があります。
「接近事故」とは、どんな交通事故を指すのでしょうか。
また、その交通事故について、
調査会社による調査が行われる場合、
保険会社は、『保険金詐欺』ではないか、と
疑うから、そのような手続きをするのでしょうか。
実際のところを、お話いたします。
接近事故とは、どんな交通事故か?
接近事故とは、
保険契約と保険事故が接近している事故を指します。
交通事故による接近事故は、自動車保険で対応しますが、
火災保険や生命保険における事故も同様に
保険契約と保険事故が接近している保険事故は、接近事故となります。
今回は、特に交通事故による接近事故を
例を挙げて、ご説明します。
まず、「保険契約と保険事故が接近している」とは
日にち的には、どれくらいの間隔を言うのでしょうか。
これは、保険会社や保険会社の損害課やその担当者
または、時世によって、考え方が変わると思われますので、
1週間以内なのか2週間以内なのか1か月以内なのか、
はっきりとした基準はありません。
私の経験上は、保険契約と保険事故が
おおむね2週間以内の場合が、
接近事故と認定されているように思います。
接近事故の具体例
それでは、接近事故の具体例をご紹介します。
以下のような場合は、接近事故と認定される可能性が高いです。
① 車を購入したので、自動車保険の契約をしたが、
その1週間後に交通事故に遭った。
ここで言う交通事故は、加害者的立場でも
被害者的立場でも、どちらも含まれます。
② 車を買い替えたので、車両入替の手続きをしたが、
車が変わり不慣れなこともあって、その3日後にぶつけてしまった。
③ 車を9月1日に売却することになったので、
9月1日の日付で自動車保険を解約する手続きをしたが、
8月31日に交通事故に遭ってしまった。
調査は『保険金詐欺』を疑う交通事故だからか?
先ほどお話しした、接近事故があり、
保険金請求がなされると、基本的には、調査が入ると思ってください。
ただ、広い意味での調査が行われる場合と
狭い意味での調査が行われる場合に分かれてきます。
広い意味での調査は、簡易的なものになります。
それは、私たち保険代理店に対して、
代理店とその契約者との関係、事故の当事者が複数人ならそれぞれの関係、
保険契約に至った経緯、契約日時と場所等に関する調査です。
不自然な点がなければ、代理店調査だけの場合は、
保険金詐欺を疑うというよりは、形式的な調査だけで終わります。
保険契約者がそのことを知ることはありません。
もちろん、不自然な点があれば、狭い意味での本格的な調査に発展します。
事故報告の段階や初動対応で、保険会社の損害課が
少しでも疑念を持った場合は、代理店への聞き取りとは別に
損害課の社員が、直接契約者と話したいと言う場合があります。
その場合は、疑問点がいくつかあり、
疑いを持たれている可能性が高くなります。
場合によっては、本格的な調査に移行します。
最後に、狭い意味での調査ですが、
保険会社がプロの調査会社に調査を発注して
行われる調査を指します。
この場合は、保険金詐欺を念頭に調査が行われます。
保険金詐欺の可能性が極めて高いと判断しているときは
保険会社のほうから調査会社へ、徹底して調査せよ、と
申し送りされることもあります。
まとめ
接近事故とは、保険契約と保険事故が接近している事故を指します。
もっと分かり易く言うと、
何らかの保険契約日からまもなくして
保険事故が発生した場合の事故です。
接近事故は、基本的に、
保険金詐欺を疑う交通事故として、調査が入ります。
保険会社の損害課の判断によって、
簡易的な調査で終わる場合もありますし、
保険金詐欺の疑いが濃厚と判断された場合は、
保険会社とは別のプロの調査会社が調査します。
接近事故は、保険金詐欺でなくとも
十分あり得ることなのですが、
保険金詐欺案件は、接近事故が非常に多いので、
接近事故の場合、保険会社は、特に注目をするのです。