煽り運転、相変わらず多いですね~
3件も立て続けに報道されていますよ。
2件について検証し、過去の煽り運転判例もおさらいしてみましょう。
事件事実
2017年11月、東名高速道路で、前を走行していた男性(50)の車に
少年(19)が蛇行運転などの煽り運転を繰り返し
追い越し車線で男性の車の直前に割り込んだ後に急減速して男性の車が追突し
さらにその後方の車3台が、追突したというもの。
この事件のポイントは、煽り運転を、暴行容疑で検挙している所です。
警察庁は煽り運転について今年1月、
直接の暴力行為がなくても積極的に刑法の暴行容疑での立件をするよう全国の警察に指示しています。
今回はけが人がいなかったのが、不幸中の幸いでしたが、死傷者が出ていてもおかしくない事故です。
容疑者は少年ですから実名報道は無いにしても、
暴行罪が確定すると、警察庁のデータベースに記録され、一生消えることがありません。
警察に免許証を提示するたびに、あらぬ疑いをかけられ、入念な所持品検査をされるなどの不利益が発生します。
けが人がいないこともあり、長期間拘留されることは無いのかもしれませんが、
写真、指紋、DNAを採取されるなど、身体的個人情報が一生データベースに記録され続けますよ。
わたしは、刑罰にも増して、このようなことが少年の将来に暗い影を落とすことのほうが気になります。
少年には、罪を償って、立派に社会復帰してもらいたいと切に願います。
事件事実
2018年1月、横浜横須賀道路で、会社員の容疑者(52)が
左車線を走っていた、ごみ収集車の前に割り込んで急減速し、それを避けようとしたごみ収集車を横転させて、
ご収集車の運転者が全治2週間のけがを負ったというもの。
こちらは、危険運転での逮捕容疑となっています。
2か月前に以下のように危険運転事件の判決が出ています。
乗用車であおり運転をしてオートバイを転倒させ、乗っていた男女にそれぞれ全治2週間、全治2カ月の重軽傷を負わせて逃走した男が
自動車運転処罰法違反(危険運転致傷)と道交法違反(ひき逃げ)の罪に問われ、
懲役2年、保護観察付き執行猶予5年(求刑・懲役2年)の判決が言い渡された。
保護観察付き執行猶予5年というところに、限りなく実刑に近い判決であることが読み取れます。
しかしながら、執行猶予と実刑の間には、天と地ほどの格差がありますので、
全治2カ月もの傷害を負った被害者には、納得感が無いかもしれません。
栃木県で平成24年9月、煽り運転が原因で前の車が他の車と衝突し、
衝突された車のほうの女性が重体となる事故がありました。
危険運転致傷と道路交通法違反(ひき逃げ)の罪で起訴された少年に対して
裁判所は平成25年8月、懲役6年の判決を言い渡しています。
被害者の女性が重体となっており、結果が極めて重大です。
危険運転致傷のほうで、起訴されているので、はやり刑罰が重いですね。
証拠不十分で、過失運転致傷のほうであれば、ここまでの重い判決とはならないでしょうから
時代の流れを感じるものがあります。
煽り運転は、間違いなく厳罰化されてきています。
これは、時代の要請でもあります。
ドライブレコーダーや防犯カメラの急速な普及により、証拠の収集も容易になりつつあるし
警察がより重い刑罰での検挙に積極的ですから、逮捕起訴されると、非常に重い負担が待っています。
煽り運転も、飲酒運転同様
しない、させない、許さない、という気運を盛り上げ、より安心安全な交通社会を目指す時期に来ています。