amazarashi (アマザラシ)が2019年02月13日
CDシングル『さよならごっこ』をリリース。
2曲目に収録されている
新曲「アイザック」について。
今回は「アイザック」の
歌詞の意味を考察し解説します。
音源は
歌詞の下に設置しています。
ぜひ歌詞をご覧になって
歌ってみて下さいね。
それでは、さっそく見ていきましょう。
amazarashi「アイザック」歌詞
アイザック 作詞 秋田ひろむ
作曲 秋田ひろむアイザック 1カートンのナーバス
哀楽 セブンスの歩幅
工業区 黒煙のキャンパス
ラングストン 一服のドラマ品川駅が咳き込むので 着飾った女性が背中をさすっていた
うずくまった未明通りでは
今日も犯人による犯人捜しが 憶測と出歯亀と有識者でぎゅうぎゅう詰めだ
悪人のくせに悪人面する勇気すらない
恥知らずの悪人が吐いた
道徳によく似たそれは 腐敗する妄想
晩秋の訃報 猟銃の発砲
初雪が未だ逃走 十二月の東北アイザック 1カートンのナーバス
哀楽 セブンスの歩幅
工業区 黒煙のキャンパス
ラングストン 一服のドラマ誰かが誰かを傷つける度に胸を痛めるなら いつかそれが死因になる
そういう意味では優しさは病だ
誰かが吐き捨てたつばを 少なからず僕らは踏んづけて行進するんだ
吹雪も大時化も
その先に灯りは見えずとも
やぶれかぶれに自暴自棄に 死に物狂い
鉱山の崩落による
生き埋めのヒューマニズム
希望もいつか消える
だがそれは息絶える時だアイザック 1カートンのナーバス
哀楽 セブンスの歩幅
工業区 黒煙のキャンパス
ラングストン 一服のドラマ
amazarashi「アイザック」歌詞の意味を解説
絶望や孤独の中に
一縷(いちる)の希望を織り交ぜる
amazarashiワールド全開な今回の楽曲ですが、
“セブンスの歩幅”や“品川駅が咳き込む”
といった擬人法が多用されています。
擬人法を用いる事によって、
リスナー一人一人が
自分の経験から生まれる
イメージを持ちやすくなり、
楽曲の世界観に
入り込みやすくしているのだと思います。
近頃「平成最後の○○」
という言葉がよく使われていますが、
終末感溢れる今を生きる私達は、
様々な困難や閉塞感と
戦いながら日々を送っています。
“１カートンのナーバス”
“黒煙のキャンパス”という歌詞が
それをよく表していると思います。
１カートンという言葉は
タバコの単位としてよく聞かれますよね。
コンビニのレジで前のお客様が
「タバコ１カートン下さい。」なんて言ったら
“わ～沢山買うのね”と思ってしまいそうです。
つまり、それだけ沢山の
ナーバスな出来事が私達の周りにあるのです。
そして、黒煙のキャンパスというフレーズも
“黒”という色だけでなく、
“煙”というワードを使う事によって、
辺り一面が真っ暗で四方八方を
塞がれている状況を表しています。
これらのフレーズを
巧みに散りばめるボーカルの秋田さん。
毎日押し寄せる沢山のストレスで、
灰色に染まってしまった自分の心の様子を
秋田さんに
見透かされているような気持ちになります。
また、“犯人による犯人捜し”
というフレーズもとても衝撃的ですね。
昨日までワイドショーで
痛烈に批判をしていたタレントさんが
次の日には捕まっていたり…
という事も日常茶飯事となっています。
事件が起きた時、ご近所の方への取材で
「いい人だったのにねぇ」
「全然そんな事する人に見えなかった」
なんていう言葉もよく聞きますよね。
私はこうしたインタビューを聞いて
“明日には私も犯人になってしまうかも!?”
と思った事があります。
もしかしたら私達は、
誰しもが正しさだけでは生きていけない、
きっと誰しも心に一種の狂気を
孕(はら)んでいるのではないでしょうか。
でも、そんな絶望だらけの毎日ですが、
諦めてはいけないよ、
と肩を叩いてくれています。
この楽曲では最後に
“希望もいつか消える
だがそれは息絶える時だ”と歌っています。
つまり、死ぬときに希望は消える。
裏を返せば、生きてさえいれば
希望はあるんだ！ということです。
全体的にやや暗めの印象が強い
今回の楽曲の中で、
最後に発せられたこの一言が
なんと力強いことでしょう。
明日からまた少しずつでも歩いていこう、
生きていこう、と思わせてくれますね。。
最後に
今、多くの著名人からも絶大な人気、
注目を集めている覆面ユニット“amazarashi”。
いかがでしたか？
私達の心に中にあるダークな部分や、
誰しもが抱える孤独や
悩みに寄り添いながらも、
前を向くためのヒントに
そっと気づかせてくれる『アイザック』。
皆さんも毎日のストレスに
押し潰されそうな時、辛い時、
心のお薬としてこの曲を聴いてみては？
ちなみに、タイトルの『アイザック』ですが、
英語圏、特にユダヤ人には
ポピュラーな名前だそうで、
あの万有引力で有名なニュートンの
ファーストネームが“アイザック”です。
少し哲学的なamazarashiの歌詞と
天才学者のニュートン、
なんだか似た者同士なのかな、
なんて思ったのは私だけでしょうか。
今年4月からは過去最多の14ヶ所15公演を
回る全国ツアーが決定しているamazarashi。
今後も目が（耳が）離せませんね！
